予定を「話して聞かせる」から「並べて見せる」に変えるための、最初の一歩をまとめました。
絵カードスケジュールは、1日や活動の流れを、絵と順番で並べて見せるやり方です。言葉で説明する代わりに、これから何が起きるのかを目で確かめられるようにします。
作るときのコツは、いきなり1日ぶんを作らないことです。
つまずきやすい場面の前後、2〜3枚だけから始めるほうが、続きます。全部そろえてから始めようとすると、たいてい準備の途中で力尽きます。
言葉は、話した先から消えていきます。「朝ごはんを食べたら、着替えて、それから公園に行くよ」と伝えても、聞き終わるころには最初のほうが抜け落ちる。順番が多いほど、これは起こりやすくなります。
並べて見せる方法だと、情報がその場に残り続けます。もう一度確かめたくなったときに、自分で確かめられるのが大きな違いです。何度も聞き返す必要がなくなり、聞かれる側の負担も減ります。
また、順番が目に見えると「いまどこにいるか」も分かる。終わったものを裏返したり印を付けたりすれば、残りがあとどれくらいかも伝わります。先の見通しが立つぶん、途中の切り替えが少し軽くなる。
大人が主役にならないことが、いちばんのコツです。
カードを指してその通りに動かそうとすると、指示の道具になってしまいます。あくまで本人が確かめるためのものなので、見に行けたこと自体を認める関わり方のほうが長続きします。
また、予定が変わったときこそ使えると覚えておくと役に立ちます。急な変更はつらさが出やすい場面ですが、「ここが変わるよ」とカードを差し替えて見せると、変わる範囲がはっきりします。全部が変わるわけではないと目で分かることが、安心につながります。
どんな絵を使うかで、伝わりやすさが変わります。目安は3つです。
絵のうまさは関係ありません。手描きの丸と棒でも、本人に通じていれば十分に役割を果たします。きれいに作ることに時間をかけるより、まず使ってみて反応を見るほうが早く前に進みます。
家庭で効果があった方法は、園や学校でも使えることがあります。ただし場所が変われば周りの状況も変わるので、そのまま持ち込むのではなく、先生と共有して調整するほうがうまくいきます。
共有するときは「こういう場面で、こう使うと落ち着いて動けることが多い」と、場面と使い方をセットで伝えると具体的です。加えて、家庭と園・学校で並べる向きや絵柄をそろえておくと、本人にとって同じ道具として機能します。ばらばらだと、別のものとして覚え直すことになります。
そろえる手段として、絵スケジュールには「URLで渡す」があります。画面で作った予定がそのままURLになるので、LINEやメールで送れば相手の端末で同じ並びが開きます。口頭やスクリーンショットで伝え直す手間がなくなり、絵柄も順番もずれません。中身はURLの中に入っていてどこのサーバーにも届かないので、外部にデータを預けることにもなりません。ただしURLを知っている人は誰でも開けます。個別のメッセージで渡してください。
みとおしの絵カードスケジュールは、ブラウザ上で予定を並べて表示できます。印刷やラミネートの準備がいらないので、まず試してみたいときに向いています。入力した内容は端末の中だけで扱われ、外部には送信されません。
ひとつの活動の中の手順を分けたい場合はやることステップ、時間の長さを伝えたい場合は視覚タイマーが近い役割を持ちます。組み合わせて使うこともできます。
紙のカードを切ってすぐ使いたい方向けに、みとおし運営者が作った印刷用の視覚支援セット(有料・note)もあります。絵カード32枚・手順表・がんばり表をA4で10ページにまとめたもので、イラスト探しと配置の準備を済ませた状態のPDFです。
年齢よりも、絵や写真を見て「これは何を指しているか」が分かるかどうかが目安になります。文字が読めなくても使えるのが、この方法の利点です。反応を見ながら、伝わりやすい絵に差し替えていってください。
最初は2〜3枚をおすすめします。枚数が多いほど作るのも更新するのも大変になり、続かなくなります。慣れて足りないと感じてから増やすほうが、無理がありません。
その場でカードを差し替えて、変わる部分だけを見せてください。変更はつらさが出やすい場面ですが、「どこが変わって、どこは変わらないか」が目で分かると、見通しが保たれます。口頭だけで伝えるより負担が小さくなります。
そうとは限りません。これは見通しづくりを助ける補助的な道具で、効果を保証するものではありません。合う方法はお子さんによって違うため、うまくいかない場合は分け方を変えるか、別のやり方も検討してください。困りごとが続く場合は専門家にご相談ください。